バーチャルYouTuberから見る、例のアレの存在と影響

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2017年末ごろからバーチャルYouTuberの勢いがとても強くなってきた。んで、ニコニコ動画の例のアレと呼ばれるカテゴリについてちょっと書いておこうと思う。

どういった要因があって、これほどまでに急激にバーチャルYouTuberが広まったのかは様々な人が調べているが*1*2

  • 複数のバーチャルYouTuberが同時多発的に登場
  • ニコニコ動画への転載

が主な要因とされている模様。自分は6月ごろにキズナアイを少し見てフーンというくらいで、ここまで伸びるとは思ってなかったので不覚。

はじめに少し述べておくと、今回個人的に何がおもしろかったかというと、例のアレが珍しくオリジナルコンテンツの盛り上がりにリアルタイムで"本意に"寄与してすごい!ということだ。

バーチャルYouTuberの隆盛

さて、バーチャルYouTuberに爆発的人気が出始めた。今話題になっているバーチャルYouTuberは、バーチャルYouTuber四天王(キズナアイ、ミライアカリ、輝夜月、電脳少女シロ、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん)と呼ばれるコミュニティを形成し、コラボしたりする形で親しまれている。

やはりキズナアイは、パイオニアで1番の功労者である。他のバーチャルYouTuberは、それにあやかる形となっている。もちろん彼ら彼女らの実力なのだが。

いわばキズナアイが他のバーチャルYouTuberをプロデュースする(しあう)形になっている。

玉石混交に動画コンテンツがあるなか、おもしろいコンテンツをつくってもそこまで見てもらえずに終わってしまうことも多いだろう。より多くの人にコンテンツを観てもらうためには、必要なところに、どのように笑うか、笑い方とともに届ける、プロデュースしていく必要がある。

このいち早い連携が、急激な盛り上がりに貢献していることは十分考えられる。

例のアレとは

そしてバーチャルYouTuberはさておき例のアレの話になるのだが、とりあえず例のアレとはニコニコ大百科によるとこんな感じ。

dic.nicovideo.jp

人によって様々な解釈があるかもしれないが、自分はオリジナルの映像と音声を切り貼りして笑うMAD要素の強い、ちょっとバカにした感じの笑いがあるニコニコらしさが詰め込まれたカテゴリだと認識している。

ご存じの方も多いかと思うが、例えば、

  • 総統閣下シリーズ
  • 松岡修造
  • ドナルド・マクドナルド

などこれまでに様々な何かがネタにされてきている。

何かおもしろいコンテンツができあがると、それにならう形でN次創作がどんどん広がっていくというのが例のアレというカテゴリだ。

これによってオリジナルのどこの映像や音声を使うのか、などからコンテンツのフォーマットが決まり、笑いのフォーマット、コメントのフォーマットが決まってくる。どこで笑うのか、どこでどんなコメントをすればいいのかがどんどんどんどん蓄積されていっている。

コンテンツにおいて、何がおもしろくて、どこでどんな風に笑えばいいのかということは、とても重要なことの1つである。TVでテロップが出てくるのはどこで笑えばいいのかを教えるためである。

ある程度のフォーマットもわかっているので、当たりやすい(?)オトクなカテゴリとも言える。なんて言ったって「ホモと見る」だけでめちゃくちゃおもしろくなってしまう。ようは、オリジナルとなっているコンテンツをニコニコユーザーにとって楽しい形で受け入れやすいということだ。

例のアレはこのように、動画とどう向き合って、笑えばいいのかということがわかりやすい。そして、ニコニコ動画のなかでも連帯感が強く、文化をつくる原動力、中心的な役割をになっていると思っている。

何かコンテンツと例のアレ

こういうカテゴリでバーチャルYouTuberは取り上げられ、ニコニコ動画にかなりの盛り上がりを起こしている。

例えばこういうの

そして、バーチャルYouTuberの伸びに貢献しているのではないかとよく言われている。

ただこれまで例のアレは、性質上、ニコニコ動画だけで、過去のコンテンツで遊んだり笑うだけで、あまりオリジナルコンテンツにリアルタイムで意図した良い影響を及ぼしてきにくかったように思える。syamu_gamesは引退しているし、直近ではXXハンターもニコニコへの転載をキッカケに一気に拡散したが、ほとんど炎上のようなものだった。(コマンドーチャージマン研!などは多少そうかもしれない)

しかし!今回の例のアレは珍しく見事に、リアルタイムでニコニコ動画ユーザーに、オリジナルコンテンツのバーチャルYouTuberを普通に"プロデュースされた。例のアレが動員力を発揮し、オリジナルコンテンツ提供者にとって純粋に嬉しい良い形となったのではないだろうか。これもひとえにキズナアイが野獣先輩の読み間違いでやらかしてくれたおかげなのかもしれない…!

さいごに

エイレーンから新プロジェクトが誕生し、

こういった動き、いわゆる淫夢営業と呼ばれていることもまで出始めたようであったが、反発は少なくなかったようだ。

また、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんが「ニコニコでは受け入れられないのでアップしてませんでした」と言っている*3のだが、これはあながち間違った認識ではないと思っている。カメラの前で顔出しして喋ってる動画で成功しているのは、時代を先取りしすぎた顔出しのパイオニア、今なら人気YouTuberになりえたかもしれない男、藤崎瑞希*4くらいしか知らないというのは言い過ぎかもしれないが、こういった類の動画しか自分は知らない。

実際にキズナアイがニコニコ動画で活動していた時期があった*5のだが、バーチャルYouTuberブームがまだ来ていなかったとは言え、投稿された動画にももう一歩伸びが見られていない。

今回ニコニコでも伸びたのは、YouTubeで伸び、例のアレが一旦受け皿となったからこそ、ニコニコでも受け入れられたのかもしれない。

また、ニコニコ動画は例のアレしか良いところがないと言われるが、それはなかば当たり前といえば当たり前かもしれず、ここだけはニコニコのヘビーユーザーを中心にして、幅広いユーザーにとって楽しみやすい、親しみのある、歴史を重ねてきたコンテンツに溢れていると思うからだ。今はもうあまり見られなくなったが、過去にあった釣り動画の賜物でもあるのかもしれない。

突然とんでもないコンテンツやフォーマットが出回ったり、いつも驚きと新鮮さと笑いをもらえるのが例のアレ。 今後、例のアレからどんなコンテンツや文化が生まれるのか?さらに勢力を伸ばし、影響力がより大きくなるのだろうか?これからもいちユーザーとして非常に楽しみである